王の顔

STORY
王の顔

1589年。政権闘争が激化し、外敵の侵入が頻発する16世紀末の朝鮮王朝。即位前、観相師から王になってはならない顔だと予言された過去を持つ14代王・宣祖(ソンジョ)は、自分の凶相を補う相の女人を探させる一方、王の相を持って生まれた息子・光海君(クァンヘグン)を嫉妬心から冷遇し、鍼でその相を変えようとしていた。聡明な光海君はその仕打ちに気付いていたが、父を思う心から気付かぬふりをしていた。そんなある日、王宮の書庫に盗賊が侵入する。捕らえた盗賊が口にしたのは、ごく限られた人間しか知らないはずの王家に伝わる観相書、今の王が王の顔ではないと証明するという「龍顔秘書(ヨンアンビソ)」の名前だった――。


「凶相 と吉相」

朝鮮王朝14代王・宣祖(ソンジョ)は即位前、王になれば国に災いをもたらす“王になってはならない相”であると観相師に予言されていた。即位から20年以上たった1589年。その言葉どおり、民は飢饉とはやり病に苦しみ、度々外敵からの襲撃を受けていた。宣祖は自らの相を補う女人を側室に迎えようと候補の者を探させる一方、王たるべき吉相を持つ次男の光海君(クァンヘグン)の相を凶相に変えるため鍼を打たせるのだった。

「カヒとの再会」

チョン・ヨリプを頭領とした大同契(テドンゲ)は平等な世の中を夢見ながら海から攻めてきた倭寇を倒し、民を救っていた。しかし、王宮の書庫に忍び込み、「龍顔秘書(ヨンアンビソ)」を盗もうと画策したキム・ドチのせいで大同契は逆賊にされてしまう。一方、光海君(クァンヘグン)は幼い頃に自分が渡した“星”を目にして、書店で出会った青年の正体がカヒだということに気づく。

「すれ違う二人」

「天文図」に書かれた文章から、光海君(クァンヘグン)はカヒの父キム・ドゥソが大同契(テドンゲ)の一員であることを知ってかばおうとするが、すでに「天文図」は謀反の証拠として王の手に渡ってしまい、カヒの両親は投獄される。カヒこそが宣祖(ソンジョ)の相を補う女人であると知る観相学教授のコ・サンは、宣祖の側室になれば両親を救えるとカヒに持ちかけ、カヒは心を決めて宮中に入る。

「観相の試験」

市場通りの長い列。当たると噂の観相師・屏風道士。その正体は光海君(クァンヘグン)だった。3年前に妙香(ミョヒャン)山へ逃げたカヒは、父親が果たせなかった夢のために大同契(テドンゲ)の一員となっていた。ドチは新しい頭領として大同契を率いながら王に近づく方法を探していたが、折よく科挙が行われることになり、光海君とドチは観相師としての実力を競うことになる。

「矢の行方」

ドチは試験を受けた者の中で唯一、宣祖(ソンジョ)の出した課題に正解するが、ドチのことを危険視したコ・サンの策略によって不合格となる。別の方法で宮中に入り込もうと考えたドチは、宣祖の側室・キム貴人(クィイン)の兄キム・ゴンニャンに接近する。ゴンニャンはカヒに、光海君(クァンヘグン)の暗殺に成功すればドチを仕官させると約束する。カヒは王子たちが狩りに興じているところを狙って矢を放つのだが…。

「5日間の猶予」

光海君(クァンヘグン)を試すために宣祖(ソンジョ)は、信城君(シンソングン)を暗殺しようとした真犯人を5日間で見つけ出すよう言う。光海君は罠を仕掛けて真犯人を見つけるが、その正体がカヒだと知って衝撃を受ける。5日後、光海君はカヒをかばって真犯人を捕らえられなかったと嘘の報告をする。これに腹を立てた宣祖は光海君の王子としての身分を剥奪し、平民にすると宣言する。

「狙われたカヒ」

宣祖(ソンジョ)は大同契(テドンゲ)を根こそぎ捕らえるためにカヒの人相書きを貼り出させる。光海君(クァンヘグン)はカヒを案じ、身を隠すよう勧めるが、カヒは聞く耳を持たない。ある日、光海君は謎の人物からチャン・ステの店に呼び出され、高官らによる官職売買の現場を目の当たりにする。それを見た光海君は、信城君(シンソングン)が矢を受けたのは、世継ぎ争いが原因だと証明する方法を思いつく。

「父上の夢」

大同契(テドンゲ)の無実を証明するために、チャン・ステの帳簿と先代の王妃の印章である金宝(クムボ)を賭けて、キム・ゴンニャンと光海君(クァンヘグン)の勝負が始まった。いざという時に備えて店の周りはチャン・ステの手下で囲まれる。一方、大同契のために化粧師として働き始めたカヒは、その評判を聞きつけた王妃・懿仁王后(ウィインワンフ)から王宮に呼ばれるが、そこである人物と出くわしてしまう。

「解けた誤解」

王妃の名をかたってキム貴人(クィイン)が贈った絵の顔料に仕込まれた毒を吸い、光海君(クァンヘグン)は意識を失ってしまうが、カヒの介抱により一命を取り留める。一方、宣祖(ソンジョ)はかつて自らが試みて失敗した奴婢の解放と租税の免除を光海君が実現させたことに、心中穏やかでない。そんな中、宣祖の寵愛している側室のホン淑容(スギョン)が急死し、宮中では王妃が毒殺したという噂が広まる。

「兄の嫉妬」

光海君(クァンヘグン)は宣祖(ソンジョ)に渡した帳簿が思うように使われないことに絶望し、ついに自ら王になることを決意する。朝廷での後ろ盾を得るため、重臣ユ・ジャシンの娘のジョンファと婚礼を挙げる光海君。一方、宣祖は世子(セジャ)冊封のために王子たちを呼び、長幼を問わず世子を決めると告げる。キム貴人(クィイン)と結託したドチは、臨海君(イメグン)を利用して光海君を消す策略を立てるが…。

「忍び寄る戦の影」

光海君(クァンヘグン)は日本人が都から引き揚げたと聞いて、使臣が滞在していた東平(トンピョン)館を訪れるが、そこで火縄銃を扱う怪しげな者と出会う。戦の気配を感じ取った光海君は宣祖(ソンジョ)に進言するが相手にされない。一方、コ・サンはカヒが妓楼にいることを知り、宣祖(ソンジョ)に伝える。宣祖は再びカヒを側室にしようとするのだが、カヒはこれを頑なに拒む。

「命懸けの提案」

数百隻の敵船が攻めてきたとの知らせを受けた宣祖(ソンジョ)は、名将シン・リプを戦地へ派遣し、ひそかに信城君(シンソングン)を訪ねて世子(セジャ)冊立の意向を明らかにする。ドチは宣祖が1人になる時間を狙って暗殺しようと企むが、同じ日にコ・サンも宣祖とカヒが共に一夜を過ごす計画を進めていた。一方、光海君(クァンヘグン)は、都を離れて避難することを決めた宣祖を訪ね、ある提案をする。

世子セジャ冊立」

宣祖(ソンジョ)は北進する敵の攻撃から逃れるため都を捨てて避難するが、世子となった光海君(クァンヘグン)には都に残って民を守るよう命じる。わずかな兵力で戦っても勝算がないことを悟っていた光海君は、都に残っている民たちを誘導して安全に避難させようとする。そんな折、臨海君(イメグン)が敵軍に捕らえられたという知らせが入るのだが…。

「譲位宣言」

敵将の木下は朝鮮の王宮と民を蹂躙し、手柄を立てようと朝鮮の宝物を集めていた。そんな中、光海君(クァンヘグン)は全国各地を回って義兵を募り、共に敵と戦いながら義兵軍の指揮をしていた。行く先々で勝利を収める光海君。一方、避難先で明に援軍を要請したことにより屈辱を受けた宣祖(ソンジョ)は、光海君に対する称賛の声を耳にして腹を立て、光海君に王位を譲ると言い出す。

漢陽ハニャン奪還」

光海君(クァンヘグン)は宣祖(ソンジョ)に対して、日本軍を討ち都を奪い返すと申し出るが、すでに明と日本の間で結ばれた講和を破ることになると、猛反対されてしまう。宣祖の反対を押し切って都に入る光海君だったが、キム貴人(クィイン)が派遣したドチの密告によって都にいることが敵将に知られ、捕らえられてしまう。そんな中、信城君(シンソングン)は避難先で体調を崩してしまう。

「戦の爪痕」

戦乱が終結して1年。宣祖(ソンジョ)は心の病を悪化させ、光海君(クァンヘグン)は明から世子(セジャ)冊立の承認が受けられずにいた。そんな中、宣祖は民のために宴を催すが、集まったのは光海君をたたえる民だけだった。戦で勝利したのは自分が明に援軍を要請したからだと主張する宣祖は、功臣の名簿から光海君の名前を外すが、そのことに不満を抱いて抗議した義兵長らは投獄されてしまう。

「宮中入り」

ドチは義兵長の1人を脅し謀反の罪を着せようとしたが、光海君(クァンヘグン)によってそれを暴かれてしまう。ドチは捕らえられるが、宣祖(ソンジョ)の意思であると主張して、放免される。一方、カヒは王妃に説得され、光海君を廃位から守るため宣祖に仕える決心をする。何も知らない光海君は、宣祖に謁見するため訪れた先で、宣祖とカヒが一緒にいるのを見て衝撃を受けるのだった。

宣祖ソンジョ暗殺計画」

ヌルハチの登場によって部族統一を進め、いつの間にか北方で強大化していた女真族。光海君(クァンヘグン)は、ホ・ギュンから受け取った女真の密旨の内容に驚き警備を固めるが、間者らはすでに王宮に深くまで侵入していた。そんな中、宣祖(ソンジョ)がカヒを寵愛することにキム貴人(クィイン)は激しい嫉妬を燃やし、ドチに相談する。ドチは新たな計略を立て始めるが…。

「疑惑を呼ぶ白馬」

明の使臣をもてなす席で毒入りの酒が出され、明の武将が死んでしまう。明の使臣は大量の銀塊と共に臨海君(イメグン)を明に送るよう要求し、宣祖(ソンジョ)は困り果てる。光海君(クァンヘグン)は酒に毒を盛ったのは女真の者の仕業だと知っていたが、将来を見越して和睦を図ろうとする。一方、ドチは光海君が女真と結託して王位に就こうとしていると宣祖に吹き込む。

「新たな王妃」

カヒが光海君(クァンヘグン)と一緒にいる姿を目撃して、動揺を隠しきれない宣祖(ソンジョ)。一方、宣祖は女真と和睦を結ぶと言い出し、光海君に彼らを呼び集めるように指示する。そんな折、光海君はドチが大同契(テドンゲ)の頭領だったことを知る。ドチは新しい王妃を迎えれば必ず嫡男を得られると宣祖に吹き込み、観相による王妃選びが行われることになるが…。

龍顔秘書ヨンアンビソ

新しい王妃として光海君(クァンヘグン)らが推薦した娘が急死し、ドチの推すキム・ジェナムの娘が王妃となる。ドチの悪行を食い止めようとしていた光海君は、王妃に男児が生まれることを危ぶむキム貴人(クィイン)と手を結び、宣祖(ソンジョ)の前でドチを告発するが、それを見越していたドチに先手を打たれてしまう。ドチは謀反の口実のため、再び「龍顔秘書(ヨンアンビソ)」を探し始める。

「謀反の罪」

王宮内に捕らえられていたドチが行方をくらます。そんな中、カヒはソン内官から預かっていた「龍顔秘書(ヨンアンビソ)」を、ひそかに光海君(クァンヘグン)に手渡すのだった。それから6年後。王妃の産んだ嫡男である大君(テグン)を世子(セジャ)として推す一派と対立していたホ・ギュンは、光海君の支持者たちを集めて頻繁に会合をひらいていたが、謀反の罪で捕らえられてしまう。

「民の顔」

カヒは光海君(クァンヘグン)を廃位の危機から救うため、宣祖(ソンジョ)に毒を盛って暗殺し、自らもまた命を絶とうとする。王妃は幼い大君(テグン)を王座に据えようとするが、周囲の圧力によって断念を余儀なくされ、光海君に王位継承の命令を下す。一方、王妃と臨海君(イメグン)を利用してひそかに力を蓄えていたドチは、光海君から王座を奪うため挙兵する。「王の顔」の真実とは――。